2025年2月27日(木)に開催されましたシソイド(Cissoid)製車載インバーターの技術セミナーについて
内容のとりまとめを以下にて連絡します。
聞き逃された方 ご参考にしてください。
ウェビナーの概要
ピエール・デラット(Pierre Delatte) 氏が、新しいインバータ技術について説明。その主な特徴は以下の通り:
1. トルクの向上(最大20%アップ)
- 過変調技術(Over Modulation)の拡張 により、モーターのトルクを 20% 増加 できる。
- 一般的なPWM(パルス幅変調)制御では、変調指数(Modulation Index)が1.0を超えると出力波形が歪むが、OPP(Optimal Pulse Pattern)技術を活用することで、変調指数を127まで高めることが可能。
- これにより、電圧をより有効に活用でき、同じモーターを使用しながらトルクを向上させる ことができる。
- モーター自体を変更せずにトルクを向上 させることが可能。
- 通常、トルクを増加させるにはより大きなモーターが必要だが、本技術を適用することで既存のモーターでより高い性能を実現できる。
- そのため、既存の車両設計を大きく変更せずに、モーター性能の向上が可能。
- 同じモーターを使いつつ、性能を向上 させられるため、システム設計の自由度が増す。
- インバータのファームウェアや制御パラメータを調整するだけで、モーター性能を引き出せる ため、設計変更の負担を最小限にできる。
3. インバータ設計の総合ソリューション
- モジュラー & オープンプラットフォームを採用しているため、カスタマイズが容易。
- 顧客のニーズに応じた最適なインバータ設計が可能で、追加の開発コストを抑えられる。
- ソフトウェアやハードウェアの構成を自由に変更できるため、さまざまな用途に対応できる。
- 既に実証済みの技術であり、迅速にモーターベンチでのテストが可能。
- 開発期間を短縮し、製品の市場投入までの時間を短くすることができる。
- ベンチテストでの評価をすぐに実施できるため、開発プロセスのスピードアップが可能。
- 必要に応じて、顧客の要件に合わせたカスタマイズが簡単にできる。
- システムに合わせたファームウェアの変更や、特定のハードウェア構成に適応させることが可能。
- 産業機器やEV、航空機など、多様な用途に最適化できる柔軟性がある。
- インバータ設計に必要なすべての要素(ハードウェアからソフトウェアまで)を一貫してサポート。
- 電力変換回路、制御アルゴリズム、通信インターフェースまで統合したソリューションを提供。
- 異なる部品の組み合わせによる性能評価や互換性の確認が不要になるため、開発負担が軽減。
- 単一の窓口(One-Stop Support)で、ハードウェアとソフトウェアの両方をサポート可能。
- 異なるメーカーの製品を統合する手間を省き、開発の効率を向上させる。
- サポートが一元化されることで、トラブル時の対応が迅速化し、開発のリスクを低減。
- 開発のスピードを加速し、設計・試作・量産の工程を効率化できる。
- 最適化された設計により、試作から量産までのプロセスをスムーズに進めることが可能。
- 設計の標準化と再利用性の向上により、開発コストを削減しながら市場投入を早めることができる。
この技術により、高効率・低コスト・静音・小型化が可能なインバータシステム を実現できる。
特にEV、航空機、産業機器など、幅広い分野での導入が期待される。